どこまでも地とひととつながろうとする
コチの会・東風 

その出典は菅原道真のこの歌―

東風吹かば
にほひをこせよ梅の花 

主なしとて春な忘れそ


     
コンヴァージョン  Conversion   転 換

2011年12月13日(火)午後7時  アートスペースHase二条城前
前売り2500円 当日2700円 予約 cochinokai@gmail.com

 フルート:吉岡アカリ 箏:福原左和子 ピアノ:高橋曜子
    

12月13日は上方では新年の準備をはじめる事はじめの日。祇園では舞妓さんがあいさつに祈りを込め、コチの会は新しい音楽を京都から世界に発信します。きっと伝統曲も新鮮な趣で、響くことでしょう。

program      ***は初演、  ** は改訂初演、*は2011年作曲。  
蓮月心***
〜箏独奏のための
中村典子

大田垣蓮月は幕末京都の尼僧。得た家族をすべて失い、仏門に入る。手捏ねの茶碗に自詠を釘彫した蓮月焼で非常な人気を得、得た全ての財を社会福祉に捧げた。晩年隠棲後も侍童富岡鉄斎の人間形成に決定的影響を与え、19世紀世界三大作家のひとり富岡の東洋近代画業の精神の核となった。蓮月尼の魂に捧ぐ。

京都市立芸術大学、大学院修了。同校勤務。廣瀬量平、北爪道夫、前田守一、藤島昌壽、田島亘、H.J.カウフマン、G.アミの各氏に師事。 
  一条戻橋***
〜箏独奏のための
熊谷美紀

平安京造営の時に架橋された「一条戻橋」。この橋は様々な伝説に彩られており、陰陽師・安倍晴明 が式神を隠していたとも言われています。

「竜」に似せて作られたという箏ですが、その形は橋に、絃はその下を流れる水のようにも見えてきます。橋から妖しく美しい音が聞こえてくるかの如く、箏を響かせたいと思いました。京都市立芸術大学音楽学部作曲専修卒業。同大学院修士課程修了。大阪成蹊短期大学専任講師。大阪音楽大学非常勤講師。

  
 青と祈り*
〜フルート独奏のための
加藤ユミコ

京都の北、宮津で生まれた私の幼き頃の記憶澄み渡る広い空

低い声で遠くへうなる漁船

身体中を覆う磯の香

頬を撫でる母なる風

淡い青の記憶

あぜ道歩くと、小さな川の匂い。

土手の草の匂い。

山の木々の囁き。

森にひそむ息吹きの音

幼き頃の青の記憶やかな青

ずっと、そうあって欲しい深く穏やかな青
京都市立堀川高校音楽科、京都市立芸術大学卒業。
廣瀬量平、北爪道夫、前田守一、藤島昌壽、葛西進、猪本隆の各氏に師事。
地の涙** 
〜ピアノ独奏のための
高橋曜子

私たちは未知の大きなものに守られ支えられている―― それを忘れ、全てを我がもののようにする時、大地は悲しみうめき、涙するのだと思います。そのために失われた尊い命に、心して、大きな答えを音楽で捧げたい。

大阪大学文学部卒業、大阪大学大学院在学中1982^83年文部省派遣学生交流制度によりケルン大学に留学。2000年「雅楽分析論」により博士号授与される。楽譜CD多数。





私たちの心から送り出される音楽が、西洋クラシックや日本音楽、さまざまな民族の伝統と、ありとあらゆる感応を含んだ本質的なつながりを持ってつらなり、おもさやきびしさ、はげしさ、きよさのみならず、かろやかさ、ひろがり、ゆるみ、ふくよかさも持ち合わせ、ひとびとの耳にいつまでもこだまするとしたら・・・みなきっと、過去と未来のどちらとも手をつなぐことが出来るだろう − −








今様
いまよう
三態* 

 高橋曜子
雅楽「越天楽」から「春のやよいの〜」という今様ができ、近世にそこから「酒はのめのめ〜」の「黒田節」が歌われたといわれています。箏と歌は一体に発達してきましたが、この曲ではフルートを龍笛、ピアノを笙にみたて、和洋の融合したあたらしい器楽を試みます。

みだれ
 
八橋検校

「六段の調」「 八段の調」とともに段物三曲と呼ばれています。段物とは一段大間52拍26小節で段を重ねるごとに複雑に展開していくものですが、この「みだれ」は段、拍数の制限なく、楽曲は総て窮屈なるものにあらずして活躍自在なること、との思いを反映してつくられています。
コチの会・東風 第3回公演